目の詰まったエゾヒノキで作られた楽器、クラヴィコード。
エヴァレットさんを介して知り合った奏者、内田輝さんが稽古場に来て下さった。
30kgの重い楽器を小間に据え、照明を落とした中で聞こえる音を全て振動で受け止め、即興演奏をしていく。指先だけで強弱をはかり繊細な音色を奏でる。
踏切のシグナル、子供の声、微かに聞こえるモーター音等々を、固有名詞の下で仕分けるのでなく、ただ音階にはめて行く作業。
それを繰り返す事で耳が開いていき、音の法則である倍音も聞こえてくると言う。
確かに意識すると振動で身体が揺れる、この世の全てが波長でコミュニケーションをしているという事を身近に感じられた。
自然の中で人はリラックス出来るのは、波長を合わせて地球と一体化するからだろうか?
そこに真理があるようで、装置として瞑想や茶の湯が有効なのだ。
クラヴィコードを入手して一年半、日本中でこの音色と耳を開く話を所望されているとの事。
自然の力の脅威の前に為す術を持たない人達が、心の安定を求めているのだと思う。
茶の湯もいいヨ!と言いたい。