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7月の葵庵

7月の葵庵

2014年から夏の稽古場として、千歳船橋「葵庵」を借りている。
その理由二つ。一つは世田谷稽古場のエアコンが故障、一部屋づつ壊れていって最後の部屋も稼働不可となった。
セントラルヒーティングタイプだったので、全部屋の修理には時間と経費が掛かる。それで近場の茶室を探した結果。

もう一つは、茶の湯に向かえるよう私の背中を押してくれた恩人、内田繁氏のデザインの茶室だから。
2002年ミラノ・サローネを皮切りに、彼の事務所や個展での茶会に参加、デザイナーや建築家や作家の方達と知り合え、桑沢デザインや東京造形大での講義で、日本文化とデザインを横断し、ル・ベインの場所で数々の展示やレクチャー、茶会等を企画し、地方の産物とデザイナーを結び付け、若い作り手達を後押しし、21世紀は茶の湯に潜む美が世界を目覚めさせ救っていくだろう、と予言した人。その内田さんは、2016年11月21日に永眠された。

それから3年目の夏。居心地良く使い勝手のいい茶室に座すと、内田さんを思い出す。
3畳台目の茶室は、一方の壁が縦横に編んだ竹の建具になっているので、開けると土間と続く解放感ある場となり、椅子席と目線が繋がる。要するに宴も楽しめる庵主のお好み通りの空間なのだ。
庵主は、内田さんと長年仕事の付合いがあった方で、岡傍会(オカビエ)の事務局長をし、仕事の傍ら漆芸の腕を磨き、裏千家流を研鑽し、書や日本画まで趣味にしている日向葵さん(漆芸家名)。
ごく最近、この名前が「ひまわり」だった事に気付いたという事の顛末。
素材も高質でしっかり作られ、12年経っても歪み一つない美しい空間。
形が残り気配が立ち現れるって、凄い事ですネ。シミジミ…。

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